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平方完成のやり方は?xの係数が奇数の時は?2次方程式を解の公式を使わない解き方

中学生で習う2次方程式の解き方の中でも難しいのがこの平方完成を使った解き方です。

確かに難しくはあるのですが、一方で平方完成をすることで分かることもたくさんあります。

後に習う解の公式もこの平方完成から導くことができます。

今回の記事では、平方完成を使った二次方程式の解き方について書いてみます。

平方完成のやり方を2次方程式の例題を使って説明!

例題を使ってみていきましょう。

例題
次の計算をしましょう。
(1)\(x^2-6x=7\)
(2)\(x^2+3x-5=0\)

例題を解いていく前に2乗の乗法公式を思い出してくださいね。$$(x\pm y)^2=x^2\pm 2xy+y^2$$を覚えていますか。
この乗法公式の逆をよく使いますので、このことを覚えておくことが前提となります。

それでは、(1)\(x^2-6x=7\)を解いていきます。
括弧の2乗の中に\(x\)の項を全て入れ込みます。
両辺に\(x\)の係数の\(\frac{1}{2}\)の2乗を両辺に加えます。
この問題の場合の\(x\)の係数は\(-6\)なので、\(-6\)の\(\frac{1}{2}\)を2乗した9を両辺に加えます。
\(x^2-6x+9=7+9\)
\(x^2-6x+9=16\)
次に左辺を2乗でくくります。
\( (x-3)^2=16\)
\(x-3\)を2乗すると16なので、
\(x-3=\pm 4\)
\(x=-1,7\)ということになります。

もう1つ別の見方で平方完成してみます。
先程の2乗の乗法公式を観察してみると、\( (x\pm_)^2\)の下線部のところに入る数は、\(x\)の\(\frac{1}{2}\)となります。
このことを利用すると、\(x\)の後に入れる数は、\(-6\)の\(\frac{1}{2}\)の\(-3\)ということが分かります。
\( (x-3)^2\cdots\)
ここまで書くことが出来ました。
次に\( (x-3)^2\)を展開してみると、\(x^2-6x+9\)となるので9が余分にでてくることになります。
9を引いて、
\( (x-3)^2-9=7\)
と、平方完成することができました。
あとは最初の方程式の解き方と同じです。
最初に平方完成をした方法と特に変わりはないのですが、どちらでもやり方は問題ないと思います。
好みで選んでもらえればいいのではないでしょうか。

二次方程式の\(x\)の係数が奇数の時の平方完成のやり方は?

次に(2)\(x^2+3x-5=0\)を解いてみましょう。
(x\)の係数が奇数になっているので少し平方完成がやりにくくなります。
やりにくさはありますが、やり方そのものは全く同じです。
先程と同じようにしていけば大丈夫ですよ。

まずは\(x\)の係数3の\(\frac{1}{2}\)の2乗を両辺に足します。
3を\(\frac{1}{2}\)にして2乗すると、\(\frac{9}{4}\)になります。
両辺に\(\frac{9}{4}\)を足して、
\(x^2+3x+\frac{9}{4}-5=0+\frac{9}{4}\)となります。
平方完成をすると、
\( (x+\frac{3}{2})^2=\frac{29}{4}\)となります。
2乗を外すと、
\(x+\frac{3}{2}=\pm\frac{\sqrt{29}}{2}\)となり、
求める答えは、
\(x=\frac{-9+3\sqrt{29}}{6}\)となります。

先程と同じようにもう1つの見方でも平方完成してみます。
\(x^2+3x-5=0\)の(x\)の係数が3なので、
\( (x+\frac{3}{2})^2\cdots\)まで書きます。[1]\(\frac{3}{2}\)は\(x\)の係数の\(\frac{1}{2}\)からきています。
\( (x+\frac{3}{2})^2\)を展開すると\(x^2+3x+\frac{9}{4}\)となり、余分に\(\frac{9}{4}\)がでてきます。
\(\frac{9}{4}\)を引いてあげるといいので、
\( (x+\frac{3}{2})^2-\frac{9}{4}-5=0\)
\( (x+\frac{3}{2})^2=\frac{29}{4}\)
あとは先程と同じようにすると答えが出せますね。

平方完成ができれば、2次方程式の基礎的な解き方と変わりません。
スムーズに平方完成ができるようにしておくといいですね。

まとめ

今回の記事では、平方完成を使った二次方程式の解き方について書いてみました。
2次方程式の解き方の中では最難関ではないでしょうか。
一応、この平方完成を用いた解き方が出来ればどんな2次方程式の問題でも解けるはずです。
この後に習う解の方程式を導く際に使うのもこの平方完成です。
はじめのうちは難しく見えると思いますが、少しずつ慣れていくといいですね。
中学生のうちはそんなすごい解き方には見えないかもしれませんが、高校性になるとすごく役に立ってくれます。
平方完成ができないと数学で苦戦することにもなるかもしれません。
いきなりはできないかもしれませんが、少しずつ慣れていきましょう。

References

References
1 \(\frac{3}{2}\)は\(x\)の係数の\(\frac{1}{2}\)からきています。